スイッチとかワニとか31
―31―
今日は
怖いくらいうまくいってる。
それは、もう、気持ち悪いくらいに。
スイッチ回したから?
いや、
全部がそのおかげなわけじゃないと思う。
今日は
たまたまみんなご機嫌で
たまたま僕がよくしゃべって
たまたま思う向きが重なって
たまたまタイミングが合って。
そういう日なんだ。
そういうこともあるんだ。
超ダメな日もあって
超うまくいく日もあって。
僕はそれ
知ってるしわかってる。
スイッチだけでどうこうできるわけじゃない。
でも、きっと
僕が自分でスイッチを回したら
『超ダメな日』が
『ちょっとダメな日』になるような
『うまくいく日』が
『超うまくいく日』になるような。
そんな気がする。
わかんないけど。
ちょっとだけ“いい感じ”になるんだと思う。
たぶん。
わかんないけど。
そんなこと考えながら
のろのろパジャマを脱いでいたら
「ごはんだよー!!」
騒がしい足音と一緒にまた弟が入ってきた。
「わっ、パンツだパンツだっ!」
嬉しそうに「パンツパンツ」言いながら走って出ていく。
イライラする間も与えない
そのズルさに逆に感心しながら
僕はまたのろのろと着替えに足を通した。
―32へつづく―